【歩くために見ておくべき3つのこと+α】 その方の能力を知り、思いを尊重して何が必要かを考える!
本記事の目次
歩くために見ておくべき3つのこと+α
~その方はどれくらいの力を持っている?~
前回の記事では一緒に歩く前の準備、心構えについてお話しました。
ではいざ歩こう!
・・・
という前に、その方の能力を把握しておかないといけません。
まずはその方の歩く力を把握しよう!
どういうことかと言いますと、
例えば怪我をしてかなり筋肉が痩せて力が落ちてしまった人に、いきなり歩きましょう、ということはしないと思います。
☆まずどの程度足に力が入るのか?
☆そして起きる・立つなどご自身の動作がどれくらい1人でできるのか?
☆どれくらい歩く力があるのか?
少なくともこれくらいはしっかり診ておく必要があります。
もちろん、これらについては理学療法士・作業療法士などリハビリの専門家の評価があることが望ましいです。
身体の機能・能力をみる簡単な評価法
それでは身体の機能を図る簡単な評価についてお伝えします。
1)足の力・バランスをみる評価
こちらは簡単な評価として、
『5回立ち上がりテスト』
を紹介します。
5回立ち上がりテストとは?
これは一般的な椅子からできるだけ早く5回立ち座りするように伝え,開始の合図から5回目の立位になるまでに要した時間をストップウォッチで計測します。
地域在住高齢者の転倒のカットオフ値としては,12~15秒とされています。
また,14秒以上でバランス機能の低下が認められるとの研究があります。
さらに,椅子からの立ち上がりテストは,大腿骨骨折や要介護状態の予測因子となることが示されており,5回立ち上がりテストに12秒以上要する場合は注意が必要と考えられます。
(引用:診療所の外来で施行できる歩行速度および歩行機能の測定方法は? 日本医事新報社ホームページ
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11901)
簡単なスクリーニング的な評価になります。
ぜひ試してみて下さい!
2)どれくらい立っていられるか
○手すりがなくても立っていられるか?その時間はどれくらい可能か?
○1歩交互に踏み出してみて、膝折れがしないかどうか?
といった立位の耐久性や前述と合わせて足の力を評価します。
※ここで1歩踏み出した際に膝折れがするという場合は、かなり転倒の危険性がありますので、ご家族の介助というよりは専門家のリハビリにて歩行を行うことが望ましいです。
またどうしても、という場合は実際に専門家からの指導を受けてその判断のもと行うことをおすすめします。
3)どれくらい歩く力があるか
○杖など歩くときの補助具は必要かどうか?
○補助具の使用によってふらつきや歩行距離に変化がみられるか?
歩く際の補助具についても、専門家の評価があるとよいです。
補助具がなくても歩けるかどうか、そして補助具なしで歩ける場合はふらつきや歩行距離をみていきます。
次に補助具を使用するとそのふらつきの軽減、歩く距離に変化がみられるかをみていきます。
4)使用する方の想いを聞く
☆その方の歩きやすさや安定感に対しての感想はどうか?
⇒補助具があることで安定感が増える、痛みがあったのが軽くなる、かえって歩きにくい、など、色々な感想を言われます。
その中でプラスに働くものを拾っていきます。
その方が良い印象を持たれると、その補助具を受け入れていただけることが多いですね。
☆ご自宅の環境でも使用できる補助具か?
⇒いくら歩きやすい補助具でも、大きすぎて家の中では使えない、小回りは効くけど安定しない、など環境や本人の能力に合わない場合もあります。実際に使用する場面での評価というものが重要になります。
☆本人が何を望まれるか?
⇒杖は格好悪いからつきたくない、見た目きれいに歩きたい、とにかく何でもいいからたくさん歩きたい、など、その方が大事にされていることがあります。
こちらの思いと、使用される御本人の思いをすり合わせる必要があります。
以上が歩く介助をする前に知っておくべきことになります。
身体の機能面だけでなく、その方の思いを知っておくことで安全に、満足しながら活動性を上げられるとよいですね!
それでは!
伊達あさひ
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